同じ方向を見る

宝塚歌劇の公演がいよいよ再開する。
エンターテイメント業界はまだまだ見通しが立たない中、
ジェンヌさんたちも外出厳禁などの規則が厳しい状況で
複雑な思いを抱えながら、この自粛期間を過ごしてきたに
違いないから、演者もファンも感慨ひとしおだと思う。
そんな緊張感漂う再開前のリハーサルで、
お弁当のご依頼があったのでお届けしたのですが、
大事な瞬間に栄養となる食事を提供してるということは、
大きな責任であり、恐れ多いですが、
遠いチームメイトでもあると思いました。
だからと言って、普段サボってるわけではありません。
同じ量の責任とエネルギーを注いでいます。

ジェンヌさんはファンの期待に応えるべく、
過酷な練習と、過密なスケジュールと、
過剰な劇団の規律をこなす毎日で、
観劇させてもらったこともあるけど、
長時間における歌とダンスの仕上がりは圧巻。
宝塚ファンは、現実逃避ができるその華やかな世界の
裏側にある演者の努力の背景を感じて、
より深く好きになり、より応援したくなるのだと思う。
人が何かに向かって夢中で一生懸命がんばってる姿は、
やっぱり美しいし、人の心を動かす。
女性ばかりだと、上下関係の確執や、
何となくハラスメントもありそうだけど、
みんなが舞台に立って演じきるという
同じ目標があるから、きっと100余年も続いている。
世界でも類を見ない日本独特の文化、
世代を越えて成長を応援していくシステムも素晴らしい。
向き合うのではなく、同じ方向を見る。
家族や仕事や恋愛や友達、色んな人間関係のすべては
同じ方向を見れるかどうかが、けっこう重要な気がする。

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