味の記憶

刻一刻と閉店までの時間は短くなっていく。

クリスマスや御節の事を考えないといけないので、

正直まだまだ実感が湧かないけど、

時々いただくお客様からのありがたいお言葉で、

終わることへの反応を感じることができる。

もう二度と食べれないものがあるいうことは、

そんなに悲しいことなのか。。

料理の大切さに外側から気づかせてくれる。

確かに食の記憶というのはある。

おふくろの味、懐かしの味、思い出の味。

感受性の高い幼少期に頃に、繰り返し食べてたものは

きっと記憶に残りやすいかもしれない。

おばあちゃんが作ってくれた、ボウルの中で混ぜた

ビビンバをお皿に移さず、そのまま食べてたことが

一番美味しかったなあと覚えている。

料理を作ってる側が、気づかないところで、

相手の思い出の味になってることがあるということ。

心に響いた言葉や音楽も同じことが言えるけど、

料理は再現性のないところが尊い。

レシピだけでは語れない何かが存在する。

お客様の味の記憶をも左右するような、

そんな仕事ができてるなんて責任重大なことだと、

気の引き締まる思いになった。

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