気持ちの段取り

今やってるテイクアウトという形態は、段取りがすべて。

料理そのものが段取りあってこそ成立するもの。

お客様に提供する仕上げを極限まで短くする努力をする。

一人のためだけに作るのではないから、

他のお客様にも品質が均等に行き渡るように、

段取りが緻密に計算されていたりする。うちだけに限らず。

お客様からは見えない部分だし、見せてもいけない。

テイクアウトは他の席のある飲食店に比べて、

どうしても段取りに時間がかかってしまう。

実際に提供するのは一瞬だから。

性格によっても段取りの良し悪しに違いはあるけど、

自分は決して段取りが上手とは言えない。

決断にも時間がかかるし、準備にも時間がかかる。

もちろんお客様に商品をお渡しするのが、

最終の締め切りだから、当たり前に間に合わせるけど、

そこに至るまでの道のりに、けっこう時間がかかる。

もっとサクサクできないものかと、いつも思うけど

周りに誰もいないという環境も手伝って、

緊張感が緩んでしまう、という言い訳もしておく。

何も生産性だけがすべてでないし、

時間をかけたからいいってものでもない。

お客様に満足してもらうことが本質だと思うから、

段取りに費やした時間は関係ないといえばないけど、

たとえ不器用で、仕事が遅くて、段取りが悪くても、

それを作るのにかかった自分の物理的な時間は、

確実にお客様へ気持ちを捧げている。

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