美味しさの種類

ジュディマリが似合いそうな陽気、

三寒四温という言葉があるように、

寒さと暖かさを繰り返す不思議な時期、

寒さから解放されるからこそ暖かさをより実感する。

極端から極端へ。

お腹が空きすぎている時に、食事をすると

何でも美味しく感じたりする。

期待の差分が大きいことで生まれる美味しさ。

美味しいという感覚はとても相対的な概念だ。

考えてみたらいろんな美味しいがあると思った。

希少価値ではない素材そのものの美味しさも、

国や文化が違えば人によって感じ方は変わってくる。

甘さや脂ものも好みがあるけれど、

脳が快楽を得る物質が含まれているので、

夢中のなれる美味しさの反面、健康を損ない

かねないので、ある意味危険な美味しさではある。

プロの料理人が腕をふるう技術が極めて

絶対的な美味しさかもしれない。

継承されてきた技術は歴史のあるものだし、

今は科学の側面からもアプローチがなされている。

特別な体験が美味しく感じさせることもある。

旅先で食べる食事だったり、バーベキューだったり、

キャンプのカレーや、山頂で淹れるコーヒーなど。

外的要因の大きい非日常がもたらす美味しさだ。

身近な非日常で言えば、レストランなどの

コース料理や記念日の食事とかも印象に残りやすい。

料理や空間やサービスがバランスよく整っていて、

全体的で総合的な思い出としての美味しさ。

誰と何を食べるかも美味しいを左右する。

接待や会食などの立場次第では、美味しさより

精神的緊張が上回り、味なんてまるでわからない。

嫌いな人と一緒に料理を食べたら、

きっと美味しいものも美味しくないだろう。

心から信頼し合えるもの同士で、

美味しいを感じ合うのが一番いいに決まってる。

いろんな美味しいがあるけれど、

作り手ができることは、限りなく最高に美味しい状態で

その瞬間を提供すること。

食べ手として、その気持ちを受け取る時は、

敬意をはらって料理を、命を、想いをいただきたい。

美味しいという感覚は、食べ手の感受性も大事だと思う。

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