はじめての本づくり

今年に入ってからすぐにレシピ本を作り始めた。

やっとの思いで、そろそろ終盤を迎えている。

たかが80ページにどれだけ時間をかけているのだ。

もっと早く終わらせる予定だったのに。

締め切りを設けることで自分を追い込むしかない。

そもそも感覚的に料理を作っていたこともあって、

いざ、きちんとした分量として、説明として

言語化するのは、料理を作るのとはまた違う能力が必要で、

慣れない分、なかなか思うようには進まなかった。

文字を自分の言葉で書くという作業は、

単純に生産性としての価値では計れない。

一文字も書けない日は、何も生み出してなく

時間がただ過ぎるばかりで成果が見えずわりと苦しい。

反対に、言葉が湧き出るように書ける日もあって、

なんとなく満足した気になるけど、後から見返せば

訂正したりもして、全体で考えると恐ろしいほど、

時給に換算すれば生産性はかなり低いだろう。

本を手に取るメインのお客様は料理に関心のある女性だと

思うので、特に家庭料理のレシピ本を参考にした。

どのレシピ本も写真や構成、デザインはもちろん

素晴らしいけど、個人的に感じた違和感は、

見にくさと余計な装飾だと思った。

視点をあちこちに移動させないといけないし、

装飾の意図が想像できないデザインも多くあった。

偉そうですが、あくまでも個人的な意見です。

そんな自分が感じた違和感を修正しつつも、

レシピというメインコンテンツを軸に、

持ちうる能力のすべてを注いでいるし、

どれだけ考えても正解はないので、

たくさん迷いながらも制作を進めております。

ファーストテイクの臨場感もまたいいけど、

はじめてだからという妥協をすることなしに、

満足してもらえるようなものを作りたい。

今まで制作に携わった時間が、

今後、貴重な財産になることを願って。

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