答えのない問いかけ

コロナとの付き合いも早いもので約2年。

マスクが当たり前の風景になって、消毒や検温の声かけの

マニュアル化も進んで、日本のメディアはいまだに国民の

不安を煽ってくる。

飲食業界に身を置いてるものとして、答えのない問いを

ずっと考えさせられているような気分になる。

まがいなりにも将来はお店を持ちたいなんて希望を抱きな

がら料理の世界に飛び込んだ18歳の自分。

安定してるからとか儲かるからなんて動機ではなく、ただ

楽しくて目の前のことを一生懸命にやってきただけだし、

喜んでくれる人がいるのが嬉しかったし、早く自立したか

っただけのこと。

人生設計を考えれるほどの知性がなかったのは確かだけど、

それなりに今までがんばってきたつもりだし、家族もでき

てお店も持てて、こうしてお客様に応援してもらえている

ことは幸せなことだ。

自分の好きなようにできる、だれにも縛れない自由な世界。

憧れた景色はすぐ横にあるのに、そのすぐ横には厳しい現

実の世界も表裏一体で潜んでいる。

正しさは時代によって変化するけど、いつの時も変わらな

い真理だと思うのは自分で実際に体験してみないとわから

ないということ。

どれだけ周りに反対されても自分だけは大丈夫だと過信し

てしまうのが人間の弱いところ。

(反対されていないけど)

安定とはほど遠い個人事業主、著名なお店でさえも日々不

安と戦いながら営業している。

そもそも業界の構造の問題や、社会的地位の低さは一人の

力で変えれるものではないし、文化や時間とも密接に関わ

ってくる。

そんなこと18歳の若者にわかるはずがない。

業界の中に入ってみて歳を重ねてきてわかってきたこと。

そこに追い討ちをかけるようにやってきたコロナ。

ずいぶんと考えさせられたし、いまだに答えは出ていない

し、周りの同士もそれぞれの想いで悩みあぐねている。

これしかできないからとしがみついてる人もいっぱいいる。

今まで何をやってきたんだろうと思うこともある。

身体をつくる、喜びを与える、信頼が生まれる、循環する。

いい仕事だと思うんだけどな。

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