人と人が、肌と肌で触れ合う期間を考えてみた。
幼少期は抱っこされる年齢まで、主に親と触れ合う。
小学生高学年くらいから恋人ができるまでの期間は、
あまり密接に相手と触れ合う機会がなくなる。
一般的に恋愛が始まり結婚して子供ができるまでは、
人生で一番より濃く相手と肌と肌で触れ合う。
そして、子供が大きくなってしまうと、
これまた一般的に人に触れるという行為から遠ざかる。
次に孫ができるまでは。
肌と肌が触れ合うって心のバランスをとる上で、
けっこう重要な要素だと思うんです。
子供が小さいうちは触れることで、
愛情も伝わると思うんです。
阿吽の呼吸だとか、以心伝心だとか、
察する美学を日本は特に重宝するけど、
忙しい日々に追われ、見えない声に耳を澄まし
画面の中でも気を張って、心に余白のない現代社会で、
恐らく誰しもが肌と肌の触れ合いを潜在的に求めていて
みんなきっと誰かに抱きしめられたいはず。
でも寂しさなんてものは永遠に埋まるものではなくて、
その穴を執着や依存で埋めようとすると、
返って相手にコントロールされることになりかねないから
自分でうまく折り合いをつける訓練は必要だと思う。
抱きしめる対象は、なにも子供だけでなく、
むしろ喧騒にまみれた大人の世界にこそ、
心のバランスをとるためにも大切な行為になりうる。
内に溜まったものを肌を伝って吐き出すように。
周りのどんな優しい言葉をもってしても響かない時、
ただ無言でそっと抱きしめてくれるような存在がいると、
それが自分の居場所となり救われるような気がした。