経営とこだわりのライン

どんな事業も商売も当たり前に経営のセンスが重要だ。
戦略を練り、利益を出して、持続的に活動していく能力。
ちゃんと料理を作ってる人のほとんどが、
それぞれにこだわりや信念を持って作ることに
専念しているので、経営の勉強をする機会があまりない。
根底にある想いはみんなお客様に喜んでもらいたい、
という気持ちが共通してるように思う。
経営視点で見ると、お客様に喜んでもらうためにも
利益を出し、事業を継続させていくことが
何よりも第一に優先される。
そのためには、こだわりの線引きを止むを得ず
下げないといけない局面も出てくる。
しばしば、この経営とこだわりの対立は
どんなものづくりの場面でも当てはまったりする。
極端な例で言うと、
野菜作りは経営を成り立たせるために大量生産をする。
そのため狭い間隔で丈夫に育てるために農薬を使用する。
野菜にとって、広い間隔で農薬も使わず、
自然に育てた方が、やっぱり美味しいものができる。
大量に作れないから、必然的に価格も上がることになる。
こだわりが強すぎて続けられないなら、やる意味がない。
そして往々にして、職人はこだわりを曲げられない。
そのポジションに身を置くことに
相当な覚悟を決めないとやってられない。
飲食店でもチェーン店と個人店の二極化が進んでるように
経営とこだわりは対立しがちだけど、
守らなければいけないもの、捨てないといけないもの、
うまく両立できるようなバランスのとれるラインは
人それぞれに違うけど、必ずあるはずだから
それを見つけるために今も試行錯誤しているところです。

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