フグの肝

子供の頃に何を食べてたかは、

味覚を形成する上で大事な要素になる。

昔に比べてファーストフードや簡単な食事が溢れ、

家でも料理をしない人が増えてるものだから、

若い人に対して、味覚が落ちていくのではという

懸念をずっと抱いている。

美味しいものを実際に食べないと、

美味しさがわからないと教えられたので、

料理人として未熟なうちは、少しでもいいものを

食べようと、食べ歩きはお金がかかるので、

普段食べれないような食材を扱ってる

お店で働くように心がけていた。

高級な牛肉、フォアグラ、伊勢海老、アワビ、フグ、

珍しいから美味しいのか、脂質が多いから美味しいのか、

食材そのものが持っている美味しさは奥が深い。

先輩がフグをさばきながら、その肝を生でつまみ食い

させてくれた経験は忘れもしない思い出だ。

つまみ食いは料理をしてる人の唯一の特権。

それはもう特別に美味しかった。

雑炊に入れても最高に美味しい。

養殖のフグは無毒とされているけど、

未だにお客様に提供できない部位に指定されている。

この体験は少なからず今の味覚に影響していて、

いいものを食べててよかったと思う。

いくら美味しいものを提供しても、

そもそもの味がわからなかったら残念だから、

科学的な美味しさよりも、食材本来の美味しさが

わかるような人が、もっと増えてほしいと願っています。

子供に何を食べさすかは大事ですね。

関連記事

  1. 限られた時間

  2. 違いを知る

  3. 適していることがすべて

  4. 全集中の時

  5. オープンな性

  6. たった一人の世界観