シンプルな料理

昨日、天ぷら専門店で天ぷらをいただいた。

これは常々、不思議に思っていたことだけど、

日本を代表する天ぷら、お寿司、うどん、そば、味噌汁は、

どれもロングセラーの国民食で、飽きることのない、

究極にシンプルなお料理であるということ。

味を複合的にのせていくのではなく、

食材の持ち味を最小限の行程で、最大限の技術で引き出す。

簡単そうなことほど難しいとよく言われる。

素材で全てが決まってしまうから、目利きも重要で

味付けなどでごまかしようがない境地。

ベースがしっかりしていて、なおかつシンプルだから、

レゴのように、装飾のバリエーションが豊富にある。

お客様に飽きさせないというのは、どんな商売にも通ずる

課題であって、それを最初からクリアしてるのは大きい。

全国民にこれだけ長く愛されてるのだから、

料理の完成形と言っても過言ではない。

 

料理は基本的に誰でもできる。

食材を焼いて塩を振っただけでも立派な料理。

むしろ限界まで行程や技術を削ぎ落としたものが、

料理の本質なのではないかとさえ思っている。

シンプルは普遍性があり、色あせることのない原理原則。

自分の作る料理もあまり味を足しすぎないように

シンプルであることを意識しているし、

その答えを見つけることに憧れもある。

なので誰かに教えるのが恥ずかしいくらい、

レシピと言えるほどのレシピがほとんどない。

関連記事

  1. 物と喜び

  2. なかなか決まらない

  3. 機能から意味へ

  4. 何度でも

  5. たまにある試練

  6. なにも速ければいいってものではない