最大のミステイク

通常営業の最終日にミスをした。

前菜盛り合わせを二つでご予約を受けていたのに、

一つしか用意していなかった。

作りすぎるミスは許せるけど、足りないミスは迷惑になる。

追加で作るにも予約の分しか用意していないし、

他のご予約の準備で対応もままならない。

身動きのとれない焦燥感と悔しさ。

ただひたすらお詫びするしかなかった。

お客様は、いいよ、と言ってくれる。

一生をかけて取り返そうと心に決めた。

提供時間が遅れてしまうことは多々あるけど、

足りないミスは、今まで皆無と言っていいほどない。

感覚でやってる部分も大きいけど、

わりと用意周到な完璧主義でやってきた自負がある。

気を張って時間をかけて何度も確認をする。

だから余計に今回のミスが悔やまれる。

集中力の低下か、思い込みすぎてしまったのか。

モノも料理も信頼も、作るまでに多大な時間がかかり、

なくなってしまうのは、あっという間。

たった一つの望みは信頼関係で、

何かハプニングがあると、良くも悪くも距離は縮まる。

クレームを言う人が優良な顧客に変わっていく、

という話があるように、問題が起きたことで

相手の誠意に触れて関係が続いていく。

もちろん二度と同じことが起こらないように、

しっかり反省しなければいけない。

ミスは成長の起点になりうるから、

したくないことだけど、しないといけないものでもある。

嗚呼、強く記憶に残る出来事が増えてしまった。

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