公園の前でお店をしていたので、小さな子供たちにも
たくさんお弁当を利用していただいた。
四年半という歳月は、小さな子供にとっては、
ぐんぐん成長するに値する期間で、間近で見ていて
我が子を見るような気持ちで接していた。
さらに、自分のお料理が子供たちの成長の一端を
担ってると思うと、どこか感慨深いものがある。
幼少期はまだ脳も身体も柔らかいので、吸収率が高く、
いろんな物事の影響を受ける感度がとても大きい。
何を教えるか、何を見せたか、何を食べたか、
与えた環境によって、後のアイデンティティを形成する。
何よりも心の純度が高い。
正直、大人に美味しいと言われるより、
子供に言われた方が、嘘偽りないので断然にうれしい。
唐揚げやキッシュは特に受けが良かったし、
同じものを作っても、ここのだけは食べるとか、
はじめてこの野菜を食べれるようになったとか、
純粋な気持ちから出る言葉には胸を打たれた。
閉店をしたことによって、好きでいてくれた
子供たちの期待に応えられないことが何よりの心残り。
閉店のお知らせを聞いて怒ってた、との声も聞いたり、
またお料理を食べたいと言ってくれる子もいたり、
お子さま自らがしたためたお手紙もいくつかいただいた。
いくつもの豊かで贅沢な体験をさせてもらったので、
その純粋な気持ちを糧にして、
また違う形で恩返しができたらいいなと思う。