好きを言葉で説明するのはむずかしい。
なんとなく、曖昧で直感的なもの。
いろんな感情のレイヤーが重なっている。
人間の感情は、論理や数字では計れない。
芸能人が好き、アーティストが好きは、
メディアを通して触れる機会が多いので、
本当の素性はわからないのに、
お芝居や音楽、文学やアートなどの作品を介して
好きになり、ファンになっていく。
今はSNSで有名人との距離も近くなってるので、
さらに好きの強度が深くなっている気がする。
飲食店はどうだろう。
確かに数が多いし、食べる行為は日常的なので、
なかなか記憶に定着しづらいかもしれない。
さらに今は目新しさや見栄えを追いかけて、
好きになる前に情報だけを食べている状況。
社会がそういう仕組みになっているので、
もちろん否定しているわけではありません。
行きつけのお店であったり、
何かの記念日には必ず利用するお店は、
きっと言語化できない好きが生まれている。
小さいお店は、この点においてとても有利だ。
ひとつお客様を好きにさせる道を設計できる
可能性があるとするならば、触れる期間を増やし
内側を知り、唯一無二の情報を知る機会を作ること。
チェーン店や複数のお店を展開しているところは、
マスをターゲットにしているから、どうしても
表現する内容が中庸なものになってしまうけど、
小さいお店は、もっとありのままの気持ちを表現すれば、
そこにファンがつき、好きに深さが生まれる可能性を
秘めているはずで、そのことにお店もお客様も
もっと気づけば、応援や感謝のいい循環が
生まれるのではないかという希望が強くあります。
現場にしかない生の声は、一次情報であり
だれにも真似のできない貴重な物語であり財産にもなる。
それを少しずつ拾い集めていくという旅の始まりです。
だって正しさよりも好きという感情の方が強いから。