子供の頃は、誕生日や特別な日にだけ許される
外食がとても楽しみだった。
すかいらーく、でさえご馳走、美味しかったという
記憶が今でも残っている。
昔は飲食店の数も少なく、美味しい選択肢も
今ほどなかったから、外で食べるという行為自体が
特別な体験で、思い出としての印象にも残りやすかった。
ところが今の子供たちの世代は、美味しいに溢れ、
選択肢も増え、外食も当たり前になっている。
食だけでなく、エンターテイメントの数も増え、
遊ぶ場所やことに困らない。
映画なんて特に、話題作りのための作品が増え、
アニメのサイクルも早く、観ても記憶に残りにくい。
豊かさとは、モノやお金がたくさんあって
選択肢が増え、自由になれることを指すのか。
深く物事と関わるよりも早く、
いろんな消費が目の前を通りすぎる。
今の子供たちが大きくなった時に、
強く記憶に残る思い出とはなんだろう。
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料理を美味しいと感じとれる感性は、
素材や技術だけでなく、それを食べる環境にも
大きく左右される相対的なもの。
お腹が空いてる時に食べる食事は美味しいと思えるし、
何かを達成した後のご褒美的な食事も美味しいし、
好きな人が作ってくれる食事も美味しい。
普段から体調を整え、自然に起因する食事を
心がけていれば、味覚も繊細になっていく。
ある程度、食べる側の心構えひとつでも、
出された料理を美味しく食べれるのではと思えた。
立ち止まって考える余裕もあまりないほど、
せわしない世の中だけど、食に関わってきたものとして、
食の体験がいろんなコンテンツで薄まり、
記憶からなくなっていくのは、少し寂しい気持ちがする。