感動を与えるもの

今日の朝焼けは特にきれいだった。

武庫川に架かる橋を渡る途中の数人が写真を撮っている。

朝焼けや夕焼けの空、虹や満月をきれいだと感じる心は

どこから生まれてくるのだろう。

恐らく何も考えることなく、ごく自然にきれいなものを

きれいだと多くの人が思っているに違いない。

それにきれいなものを見ても何も感じない人もいる。

感受性だけの違いなのか。

恣意的でない自然には心が動かされるのに、

人為的に相手の心を動かすのはとてもむずかしい。

現代はあらゆる企業やエンターテイメントが、

消費者の心を掴もうと競争をしている社会システムだ。

もちろん飲食業界もお客様に感動を与える仕事と

言っても過言ではない。

感動を与えて初めて記憶に定着もするし、

また行きたいと思ってもらえるきっかけになる。

料理だけでなくサービスも空間も見た目も、

お店が放つメッセージもスタッフの気分も、

細かいところまで全部に気配りができていないと

やっぱり相手に感動は届けられないような気がする。

どれだけ真摯に目の前の仕事と向き合っているか。

そもそも人間は怠惰な生きものだから、

ついあれこれ余計なことを考えてしまう。

本気度というか、真剣度というか、無垢というか、

混じりっけのない意識こそが人の心を動かすのでは。

自然が人に与える感動と、人が人に与える感動の差は

結局のところエネルギーなのだと思う。

湧き出てくるもの、強靭なメンタル、想う熱量、

それくらい確かなものがいくつもないと

本当の意味で相手の心なんて動かせない。

だから圧倒的な自然に人は感動するのだ。

太陽のエネルギーに敵うものはない。

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