届けることが大切

自分がいいと思うことや感動したことをを

誰かに伝えたいとか広めたいとか、もっと知ってほしいと

思ってる人はきっと世の中にたくさんいる。

この気持ちの集積が人類を前に進めている原動力になって

いると言っても過言ではない。

わかってほしい、理解してほしい、共感してほしい。

共感は人間のベースとなる欲求だろう。

飲食業界で例えるなら、

生産者は素材の美味しさを知ってほしいと努力するし、

お店は料理の美味しさを知ってほしいと努力する。

その美味しさを知ったお客様は、

また誰かに知ってほしいと話をする。

でも相手への届け方はそう簡単ではないと思っていて、

いろんな手段を使って悩み考え悪戦苦闘することになる。

ビジネスのほとんどが相手に届ける作業とも言える。

言葉も動作も行動心理も、知識と技術が必要なのだ。

あるいは定量化できない想いの強さも欠かせない。

やっかいなのは、作る人は届けることが苦手だったりする。

だから作る人と消費者とをつなぐ届ける専門の人がいると、

バランスが整ってうまくいきやすい。

作る人、届ける人、使う人、その構図で社会を見てみると

いろんなサービスがそれぞれの役割を担っている。

美味しい野菜を作る人がいて、その野菜の美味しさを

料理にして届けるのがお店の役割だし、

広告やキャッチコピーやデザインやメディアなんかは

全部届ける専門の仕事だろう。

作り手の想いをよく理解して、本質を汲み取り、

最適な形で使う人に提案する。

今まではずっと料理を作る人として歩んできたので、

お店を始めてから届けることの大切を痛感した。

どれだけいいものを作っても相手に届けて伝わらないと

意味がないから。

一人二役はとてもむずかしい。

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