役に立つこと

自分の好きなこと、やりたいこと。

自分ができること、相手に求められること。

相手や社会に対して役に立つこと。

この三つがバランスよく備わった仕事が見つかるとより生

きやすいと言われている。

やりたいことはお店をがんばってる人を応援して、見えて

いない部分に光をあてて新しい価値を提案すること。

グルメサイトの運営がこれにあたる。

求められることは料理をすること。

一番長くやってきたことだし、できること。

お店の経営がこれにあたる。

ここまでですでに乖離が生まれている。

役に立つことをどこまで想定するか。

身近な人なのか、多くの人なのか。

近い未来なのか、人類の未来なのか。

スケールの大きなことを言ってないで、今できることをひ

たすら実行することがもちろん最優先。

でも思うのは、そもそも自分の行動が本当の意味で誰かの

役に立っているのかどうかは、相手が判断することだから

自分ではわからない。

それは料理が美味しかったかどうかとはまた判断基準が違

うような気がする。

お腹がいっぱいになったことだけでは役に立ったとは感じ

づらい。

そこに気持ちの変化が加わることで生まれる感情なのかも

しれない。

料理を起点として、元気になれたとか、いい気分になれた

とか、思い出になったとか、心を動かす体験になったとか。

どこまでいっても相手が決めることなので、自分ではどう

することもできない。

だからといって無気力で料理を作るわけにもいかないので、

役に立てたらうれしいな、くらいの気持ちで作るようには

している。

目の前の相手にも社会にも未来にも、自分にできることは

思いを馳せることくらい。

関連記事

  1. 職人と偏り

  2. 過ちは美しい

  3. やさしいお客さまへ

  4. ゆっくりでしか進めない

  5. 朽ちること寂びること

  6. 他愛もない夏至