美味しいよりうれしい

思春期の記憶は鮮明に残りやすい。
繰り返し聞いていた歌、友達との出来事、恋愛体験。
知らないことばかりで、初めてのことばかりで、いろんな刺激をぐんぐんと吸収する時期。
良くも悪くもその時期の経験は大人になるまで影響を及ぼしてる。
感受性が強いということはそれだけ心を動かしているということ。
大人になった今、あの時の感じ方をすることはとてもむずかしい。
社会のルールを知り、慣習を身につけ、周りと同調するように生きてくことになる。
人間の宿命といえばそうなのだろうけど、そんな一面を客観的に見た上で、主観的に行動できるのもまた人間だけが持ちうる能力だと思う。
主に心を動かしてくれるのはエンタメの役割で、感動や興奮や楽しみを与えてくれる。
恋愛もある種のコンテンツとしてエンタメの一部。
そもそも人間は大人になったとて意識はしていないけど、深層の欲求で心を動かすことを求めている。
エンタメの中でも物語は特に引き込まれる。
どうして人は物語が好きなのかは自分の中で明確な答えが出ていないけれど、ひとつ言えるのは登場人物に自分を重ね合わせたり、展開のドキドキ感など、心が動きやすい側面があるからだと思う。
ただの事実よりやっぱり物語の方がおもしろい。
そして感情的になった出来事の方が記憶に定着しやすいというデータも実際にある。
サービス提供を仕事にしている人は、いかにお客様の感情に変化を起こせるかがサービスの本質なのではないだろうか。
お客様の期待や想像を超えること、物語を語ること、覚えてもらうこと。
記憶が豊富で鮮やかになるほど人生豊かなことはない。

関連記事

  1. 情報発信で大切な3つのコツ

  2. 喜びの核

  3. どこかに残っている忘れもの

  4. 流れるもの

  5. 都会とか田舎とか

  6. 制約は口に苦し