価値について

価値というのは不思議で目に見えなくて実体のないものです。
株価やブランドやレアアイテムなど、なんとなく一部の人間が操作していると言えなくもありません。
株価で言えば多くの人の期待が集まっているから価値が高くなります。
これは期待値です。
ブランドは実績の積み重ねであり、安心が保証されているもの。
これは信頼でしょうか。
レアアイテムはその名の通り希少価値です。
分解してもいまいち掴みどころがないのは、所詮人間の思い込みであるということです。
同じジュースでも遊園地の中で買う方が値段の高いのは、そこでしか買えない価値をみんなが認めているから。
みんな、というところが重要なのです。
その価値を認めている人が多ければ多いほど価値がより強固になっていきます。
例えば10人中9人がその辺の落ちている石に希少価値があると言えば、残りの1人はその石には価値があるんだと思い込むはずです。

それをふまえてここから飲食の話になります。
技術の発展でいろんなものの品質が上がり機能的な価値はどれもコモディティ化、均一化されていると言われています。
機能の差はなくなり、実際に美味しい料理にも差はなくなってきていると感じます。
昔はレシピが重宝されていましたが、今やネットに動画に出回ることで誰でも美味しい料理が作れるようになりました。
飲食店の存在価値も時代によって変わってきているわけです。
美味しい料理以外にどんな価値を足せるのか。
つまり独自の付加価値が何なのかを深く追求しないといけない。
でも昨日の話のように多くの人に認識されやすいのは”わかりやすい”ということ。
今の時代で言えばそのわかりやすい指標が、主に「オシャレ」「映え」「人気」「予約が取れない」などになっていると思います。
意外と価値はどれも情報であり、ある程度は人が操作できるもの。
多くの人がそれを”いい”と言えば、そこに価値は生まれるんです。
価値というのは実に不思議な概念です。

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