心と時間

この本はあきらかに児童文学の域を超えてると思います。
”時間”を題材した考えさせられる深い物語で、昔に書かれたものとは思えないほど現在にも当てはまりますし、これからの社会にもっと必要になってくるテーマです。
ここで扱われる敵役の”灰色の男たち”はまさに経済合理性のことで、時間に追われ心を亡くしていく人たちを主人公であるモモが解放するという冒険のおはなし。
今という時間をきちんと自分の人生に使えているか。
そう問われているようです。
当然、時間は有限です、人はいつ死ぬかわかりません。
例えば、老後に行く旅行よりも今行く旅行の方が感性も高く体力もあって楽しめそうです。
スティーブ・ジョブズは仕事ばかりして、死ぬ間際にはもっと家族や友人との時間を大切にすればよかったと言っています。
人がいない、簡単には休めない、多くの人がそんな社会の中に組み込まれています。
それでも現代社会の時間のなさはさらに加速していく一方です。
たとえ空いた時間でさえも何かするべきことで埋めてしまう悲しき習性。
コミュニケーションコストを気にする自分でさえも、その環境にどっぷり浸かっていることをよく表しています。

目があるからこそ風景が見える。
耳があるからこそ音が聞こえる。
口があるからこそ美味しいを味わえる。
鼻があるからこそ匂いがわかる。
心があるからこそ時間を感じれる。

心臓が止まってしまえば時間も止まってしまう。
心が何も感じないのなら、その時間はないのと同じ。
心と時間が密接につながっていることは大きな発見でした。
まさに心を亡くすと書いて忙しいと読みます。
動くスピードが早いほど周りの景色が見えなくなるように、ゆっくり時間を味わえば世界がもっと美しいものであることを心が感じとれる。
みんなに等しくその純粋な心があることを教えてくれています。
つまり今を生きなさいということでしょう。

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