表現の線を引く

頭の中で考えていることや思っていることを言葉にするのはとても難しい作業です。
まずは気持ちに当てはまる適切な言葉を知ってないといけないし、全体の文脈や構成などのバランスも意識しないといけません。
話す方はまだ空に消えていきますが、文章は後に残るので特に神経を使います。
言語には限界もあります。
「love」と「愛」の意味も厳密には違うはずです。
そこに絶対的な解答はありませんし、いかに最適解を見つけて言葉という型に嵌めて表現するか。
自己完結してるならまだしも、受け取る相手の感受性や言語力によっても見え方が変わってしまう。
それでもこの世界で人と人と関わり合って生きている以上、表現とは相手がいてこそ完成するものです。
伝わらないかもしれないけど、諦めずに伝えようとしてみる。
そこに人間らしさが詰まってるような気がします。

言葉や文章に限らず、表現はいろんな芸術として存在しています。
絵画もデザインも陶芸も建築も音楽も。
自分の中の思考がどんな型にはまって表れているか。
他者との関係性もそれぞれの表現を中心としたコミュニティで成り立ってると言えなくもありません。
音楽が好きな人、言葉が好きな人など、自分に適した表現方法が言語を超えた、ある種のコミュニケーションツールになっていると思っています。
言語を介さずとも伝わる波長のようなもの。
それは分けて考えるものではなくて、自分の中に内包されている割合の比率のようなイメージで同時に存在しています。

個々に存在してる点に表現という線を引いて関係性に意味を与える人間。
そこに物語を足して伝えていこうとするのもまた人間。
それはまるで星と星をつないで星座をつくるように、そこのあるだけのものにどのような表現を使ってどう意味付けをするか。
その線の引き方は自分で決めていいのだと思います。

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