目指せウェルビーイング

最近ウェルビーイングという言葉をよく聞く。

いかによりよく自分の人生を生きるか、みたいなニュアンスだと思う。

お金や地位など数値化できるものではなく、心の豊かさや良好な人間関係など見えない価値の方が大事だよねという考え方だ。

とはいえ、社会のゲームルールは市場経済にあるので、いかに利益を上げるかが重要になっている。

SNSを見ていても再生回数に応じて収入が得れるような動きや、メンバーシップ制のサブスクなどが個人の活動にまで及んできている。

誰もが主人公になりえる時代でいかに承認欲求を得れるか。

他者からの評価は心地いいけれど顔の見えない関係はどこまでいっても浅いつながりでしかないような気がする。

そうわかっていてもお店をしている立場として少なからず情報発信をしないといけない。

発信しないと心配されてしまうし、営業してないと思われてしまう可能性だってある。

どうしてもウケのよさそうな写真を投稿するし、興味がそそるようないい言葉を使おうとするし、誰が評価してくれたのかを気にしてしまう。

ウェルビーイングが大切だと頭でわかっていても、自分の行動は市場原理に巻き込まれている。

何も発信しないという選択は怖くてできない。

というか発信が別に悪いわけではなくて、その距離感や向き合い方の問題だと思う。

往々にしてビジネスははじめに崇高なビジョンを掲げていても、成長の過程で守るものが増えてきて利益を優先しないといけなくなってくる。

よくニュースにあるような不祥事は目的と手段がすり替わってくることが原因に多い。

おそらく目的と手段が明確に切り替わるわけではなく、グラデーションのように変化していくのだと思う。

人間である以上、欲は際限なく生まれてくるし上を目指したくなるもの。

自分が目的を達成するためにどこに満足の線を引くか。

知らぬうちに巻き込まれてしまう市場原理でどこにストップをかけるか。

そこをコントロールすることがウェルビーイングにつながるような気がする。

期待に応えすぎない、評価を気にしない、でもお客様を大切にして感謝を忘れない。

そう考えると実際に会って話して顔の見える関係を地道に積み重ねていくことが日々できることの精一杯だと思う。

たとえ周りから評価されなくても自分が好きでやりたいこと、満足できること。

もちろんそこに金銭的対価があった上で、市場原理にとらわれず目的を追求できる環境を作ることが、本当の意味でウェルビーイングにつながっていくのだろう。

そのためには立ち止まる時間であったり、違う世界を見ることを意図的に行わないといけない。

自分を律する力と行ってもいいかもしれない。

関連記事

  1. 評価は栄養

  2. 外からの評価

  3. ゆっくりでしか進めない

  4. 正しさより優しさ

  5. ちょっとした未来予測

  6. 時間は買える