言ってはいけない利他

落とし物を拾う。

寄付をする。献血をする。

ボランティア活動をする。

目の前で困っている人を助ける。

大切な人の悩みに真摯に耳をかたむける。

廃棄になってしまいそうなお弁当を買って協力する。

誰もが生きてたら一度くらいそのようなシーンに遭遇すると思う。

考えよりも先に咄嗟にしたいと思えること。

例えば、川で溺れてる人や、電車の線路に落ちた人を助けるために、

その衝動で自らの命を絶つ人もいる。

このような行動は生産性や合理化といった社会の標準的なものさしから外れた振る舞いで、自分の利益でなく他者の利益を優先して考える概念のことが「利他」と呼ばれている。

思いがけずしてしまうこと。

気づいたら動いていること。

個人的に利他は興味のあるテーマで、今のライフワークにもつながっている。

だけど先に頭で考えてしまうと利他は薄れていく。

どうしても打算的になったり、自分の利益が混ざってしまったり。

そうでなくとも何か慈善活動をした際に、好感度アップのためだとか、お金儲けのためだとか、一部の人から疎まれることもあるだろう。

そこに意図や意思が存在してないこと。

動物的な本能として他者を助けること。

少なからず社会性の高いホモサピエンスだからこそ、誰しもに備わっているものだと思う。

でも現代はその社会性が違う意味で利他的な行動を制限しているような気がする。

目の前で困ってる人がいても、周りの目が気になって行動できなかったり、いい人だと思われたいがためにやってるのではないかと揶揄されたりしないかと。

自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう、も多いかもしれない。

人が多い都会にそのような事例が多いと思えるのは、人と人の関係性が希薄になってる原因だと思えるのは、競争に忙しくて時間やお金や心の余裕がないからではないだろうか。

利他的な人間でありたいと願うけれど、口にしてしまえば意味がなくなってしまう。

だからといって考えずにいては放棄しているよう。

何をするにしても余裕だけは確保しておきたい。

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