SNSを見ていると、飲食関係の情報ばかり流れてくる。
裏事情や経営のノウハウや料理や接客のことなど。
ついつい見てしまうから余計に飲食関係の情報が入ってくるようになる。
中でも、脱サラでお店を持つという無謀な挑戦を揶揄するような投稿に、可哀想だなあと思いながらもすごく共感している自分がいる。
男性の40歳前後は、特にこれからの人生に悩みがちな年頃だと思う。
会社員としてこのまま定年を迎えるのか、自分の好きなことや、やりたいことで起業するのか。
そんなとき飲食業は資金さえあれば誰でも始めやすいので選択肢に挙がりやすい。
貯金や退職金などを使って実際にお店を持つ人が多いらしい。
こういうときたいてい配偶者は反対するらしい。
将来の子供のこと、家庭のこと、諸々のローンのこと、冷静に考えると起業で成功するのは難易度が高いので、止めて止まるほどならきっと起業は向いていないし、やっても失敗してしまう。
それでもやりたいと思えるほど明確なビジョンと信念があればやってみた方がきっといい。
背負った責任がどちらに転んだとしても、後悔は成長をもたらせてくれるし、だれがなんと言おうと最終的には自分の人生だ。
それにしてもその頃の葛藤は支えが恋しくなるほど心身を駆け巡る。
自分ならできる。
そう思えてしまうのが厄介なところ。
一度いいように考えてしまうと、周りの世界も自分にとって都合のいいように補正するバイアスがかかる。
業界が未経験ならなおさら、経験者でも自分ならできると思ってしまう。
反対意見があろうものなら、余計に自分ならできると思ってしまう。
そんなに世の中は甘くないようにできている。
お店を始めた頃を思い出すと、自信に根拠などなく自分もそう思っていた。
今考えると何もわかっていなかったなと恥ずかしくなる。
そして今でも何もわかっていないほどにお店をするのはむずかしいと思っている。