子供のころにできる友達は当然利害関係なんてなかった。
クラスメイトだから、近所に住んでいるから、習い事が一緒だから。
多少相性はあったものの遠慮のない関係は純粋そのものだったなあと思い出す。
好き嫌いの感情さえないときの付き合いに戻ることはもうできない。
おそらく多くの人にとって、今でも続いている交友関係は二十歳より前にできたものではないだろうか。
そして同じ環境で育ったからか価値観も自然と共有できていた。
大人になるとそうはいかない。
いろんな行事に、仕事上の付き合いに、承認欲求に、自己実現に、友達と遊ぶ時間はなくなっていく。
交友関係もどこか損得や強い相性で判断してしまう。
自分のとってメリットのある人。
仕事上でつながっていたら後で得をするとか、便利だからとか。
幼いころと違って出会う人も多くなるので、選択を迫られるのは確かだ。
それぞれの価値観も多様で、すぐ隣にいる人でも考え方がぜんぜん違ったりする。
もはや価値観の合う人と出会う方がむずかしい。
同時に社会に出ると、みんな忙しくて時間も心もお金も余裕がなくなっていく。
優先順位も家族や仕事になるからスケジュールも合わなくなっていく。
年齢を重ねれば重ねるほど気の合う人は少なくなっていくような気がする。
感受性が鈍くなるのもそれを手伝ってるかもしれない。
だから自分から積極的に行動して働きかけないと新しい出会いは減っていく。
習い事などのコミュニティは、目的が共通していることもあり価値観はある程度共有できるだろう。
それでもドンピシャで価値観が合うような人はそうそう見つからない。
インターネットが可能性を広げてくれているのは確かだけど、自分の感性が純粋な状態ではそうそう見つからない。