食べることでしか応援できない

当たり前のことだけど、飲食店の売り上げはお客さんに飲食をしてもらうことで作られている。

お客さんの立場になって考えてみると、外食をするにはお金と時間と(誰かと行くなら)スケジュールとその日の体調など、いろんなタイミングがうまく合ってはじめてお店に行って食事をしようとなる。

お店側はまずお客さんに足を運んでもらうために、SNSで発信したり、(時にはお金をかけてまで)広告を出したりする。

自分の技術や価値を提供してサービスを利用してもらう、はビジネスの基本だけれど、今という時代だからこそ他の選択肢(収益化)もあるような気がしてならない。

 

たとえば、音楽ライブや美術館でのグッズ販売(これを買う目的の人もいるくらい)、インフルエンサーやアイドルへの投げ銭、オンラインサロンなどのサブスクモデル、ソシャゲへの課金、コストコの会員制、NFTの販売、手数料ビジネス、オンラインコンテンツやアーカイブの購入などなど、いずれも新時代の収益方法だし、本業とは別軸で派生しているものだと言える。

そのような方法を飲食店にも応用できないだろうか。

お店オリジナルのグッズを作る、レシピを販売する、トッピングの課金、料理動画を販売する、会員制にする、仕込みの風景を見せる。

ここまでエンタメ化してるお店はなかなかないと思う。

せいぜいグッズを作ったり、料理教室をしたり、焼菓子をレジ横に置くといったところ。

 

新時代の収益方法は少なからず「演者」と「ファン」という関係性が成り立っているような気もする。

強いブランド力というか、お店や個人のカリスマ性というか。

だからといって、持って生まれるものだからと諦めてしまってはもったいない。

どの飲食店にも常連さんはいるし、それは言い方を変えるとファンということ。

ファンは対象を応援したいという気持ちを持っている。

食べること以外の“応援しろ”はないものだろうか。

原価や時間のかからない派生的に生まれる収益のようなもの。

それが見つかると破綻している飲食業界の構造に一隅を照らす光となる。

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