人類のすごさ

車で都市の高速道路を走っているとき、いつも不思議な気持ちになる。

煙突だらけの工業地帯、コンビナートの数々、船、橋、ビル群など巨大建造物、周りを走る大型トラックの量。

こうして人々が何気ない生活を当たり前に享受できているのは、社会が円滑に周り、インフラが整っているからこそ。

不思議の正体は、その細部に人間がそれぞれの役割を持って動いていることをあらためて実感するからだと思う。

世の中にはいろんな仕事があって、みんなが(きっと不平不満を言いながらも)従事している事実によって世界の均衡が保たれていることに感心する。

どんな気持ちで仕事をしているのか、どういう経緯でその仕事をしているのか、そんことがつい気になってしまったり。

 

人間の力はすごい。

適切な語彙が見つからないほど人間という生きものは本当によくできている。

協力して作り上げていく感じ、未来をよりよくしていこうとするエネルギー、喜びや悲しみを共有し助け合うところ。

さらにそこには過去に生きた人たちの叡智が積み重なっていて、数々の犠牲の上に成り立っていること、歴史の学びをアップデートしていること、そんなことを想像すると身震いがする、と同時に自分の存在はどう人類の未来につながっていくのだろうとスケールの大きいことが気になったりもする。

社会に貢献することだけが別に正義ではないし、何かの仕事の就くことが正解でもないけれど、一人一人が身近な人を守るために生活をしていることの総和がこうして社会をまるで生きもののように胎動させている。

 

歴史を踏まえた上で、これから人の作る未来はどうなっていくのだろう。

それは誰にも予想できないないことだけど、今の自分の立ち位置から見える方向性は考えしろがあると思う。

戦争や疫病リスクは避けられないけれど、世界は確実に豊かになっている。

同じ世代で同じ価値観が通用しなくなっている現状はさらに加速していく。

よって他者の世界観を受け入れる寛容さ、自分の頭で考えていくこと、正しい選択をする目利き、人間でいるためにもそれなりに高度な学びが今求められている。

誰の生き方にも口出しができず、お節介が悪になっていく一人一人の自己責任論。

他者との距離と信頼関係の構築のバランス。

そんな背景を考えていると、ますます“しあわせ”みたいな概念は自分の心の在り方次第で決まるんだなあと思う。

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