この年末をもって厳密に現店舗での営業が終わってしまった。
まだまだ実感はないものの慣れ親しんだ風景がなくなってしまうのは寂しくもある。
だからといって未練を覚えていても過去を引きずっているようで世界は変わっていかない。
そんな狭間で揺れていた気持ちに否が応なく線を引いてくれる新しい年の変わり目とおせちの仕事納め感。
来年からMEEKとしての料理の仕事はどうなっていくのか。
直近で定期的にレンタル営業をしていくことは決めているけど、何か大きな目標(例えばまたお店をするとか)のために活動を続けていくわけではない。
とはいえ惰性でやっているわけでもなく、ごくごく当然にストレスなく人生の進路を選択した結果にすぎない。
店舗を手放しても料理を提供できる機会が場所さえあれば可能だし、自分のペースで料理ができるのもとてもありがたい。
お店をしていたら待ちの姿勢だけど、単発の仕事だと能動的にはたらきかけることができる。
集客を集中させることで生産効率をよくするというビジネス視点を蔑ろにしてはいけないことを、失敗の経験から痛いほどによく学んだ。
料理の世界はホスピタリティの名のもと、自分の人生の時間を犠牲にしてしまいがちだから。
物価の高騰、人口減少、食の簡略化。
考えれば考えるほどこれからの時代は飲食店にとって厳しくなっていくだろうと予想される。
そこに関しては特に悲観的でも楽観的でもなく、少し引いた視点で動向を見ていきたいと思う。
今までにも何度か立ち止まる機会はあったものの、休んでは落ち着きがなくなり何かはじめてみたくなったのはお店があったからだし固定費もかかっていたからだ。
これからはコストがかからないし、特に具体的なビジョンもないので、いよいよ静観のフェーズでゆっくりと内省していきたいと思う。