アーティストの苦悩

よく人はビジネス系かアーティスト系で分けられたりする。

おそらく世の中の人の大半はアートを仕事にしていない。

代わりならいくらでもいる誰でもできる仕事をしている人がほとんどだ。

というか、そうしないと多すぎる世界人口が円滑に回らない。

それにアートだけでご飯を食べていくのは難易度が高い。

世界は何事もバランスのいいところに落ち着いている。

 

でもしかし、そもそも人間が人間たる所以は創造、創作ができるアーティスト性にあると思う。

純粋な発想が幼い子供たちの言動を見たらわかるように、想像を超える角度からアイデアが飛び出してくるのは、まだ社会の慣習や大人の当たり前に染まってないからだ。

学校に行き社会に出て大人になるにつれ、ほとんどの人が生きた時代の常識やルールがインストールされていく。

むしろ誰にも避けられない現実だろう。

大人になってアートで仕事をしている人たちは、常識に染まらずそんな純粋さを保っているからだといっても過言ではない。

というのは言い過ぎで、今はマーケティング的な戦略で成功している事例の方が多い気がする。

 

本来はみんな大人になってもどこかにアーティスト性を秘めている。

でも仕事にもなりにくいし、生きにくいから社会の足並みに合わすしかない。

そのほうが楽だし、調和も取れるし、きっと楽しい、はず。

アーティストでいれるように挑戦してみたものの、諦めざるを得なかった人はたくさんいると思う。

創造、創作することには挫折や苦悩や痛みを伴う。

人間として生まれたからにはアーティストであるにもかかわらず。

そうしたジレンマを抱えるのもまた人間っぽい。

人生を長い時間軸で捉えたとき、アーティストであることを早く諦めた人より、挫折して苦悩した時期のある人の方がよっぽど美しいし豊かだ、とぼくは思う。

関連記事

  1. 今を生きるために

  2. 言葉が伝える

  3. 節目に向けて

  4. 思うようにはいかない

  5. 穏やかにつくる

  6. わかるを増やしていく