自分にとって本当に大事なこと

ミニマリストと聞くと、がらんとした何もない部屋で同じ服を着まわしている、みたいに、過剰に質素な生活をしているイメージが先行しているような気がする。

個人的にミニマリストとはあまり呼ばれたくないけれど(あのイメージはちょっと極端なので)、わりと生活においても考え方においてもミニマルな方だと思う。

ミニマルの解釈として、極度の必要最低限というよりも、自分にとって本当に大事なことを自分でちゃんと理解していること、だと認識している。

本当に大事なこと、という言葉はいかにも抽象的で、多くの人が当たり前のように本当に大事なことを日々選択していると言うだろう。

何かを消費したい気持ち、欲しいものを手に入れたい気持ち、地位とか名誉も含めて、それらは紛れもなく本人にとって大事だと思っていることが原動力になっている。

ただ、それらの欲望は少なからずメディアに煽動されているし、企業に行動心理をハックされているし、他者と比べることで生まれてもいるし、人間の本能的な上昇志向や成長したい気持ち、などに起因していることが往々にしてあるように思える。

それは、いまここにある世界を所与のものとして、信じて疑わずに考えないでいるから、ではないだろうか。

周りに同調して、機嫌を伺い、みんなと同じような幸福論を共有してライフプランを描く。

これだけAIやネット社会が進歩して、おすすめのフィードに自分の欲しいものが出てくるように、すでにアルゴリズムが支配しているのは旧知の事実だ。

自分の意思による選択が本当の意味で正しいのかは、これからの時代特に疑ってかからないと考えることさえも失われるような気がしてならない。

 

この世界を多面的に見てみると、意外と自分にとって本当に大事なことはそう多くない。

基本的に最低限の衣食住が揃っていたら、生きていけるし、収入もそんなに多くなくていい。

あらゆることが便利になったにもかかわらず、時間に追われている現代社会への違和感。

食事ひとつとってもコンビニごはんやインスタントごはんは本当に大事なことなのかと疑うならば、それで栄養バランスを崩して将来的に健康を害するのなら、それは本当の意味で大事なことだとは思えない。

人間のめんどくささを利用した企業の商品設計はそれとなく忍び寄ってくる。

疑わずに何も考えなかったらすでに洗脳されているのと同じこと。

食だけでなく、働き方、ストレス、人間関係、身体の健康、どの分野も自分にとっての最適をしっかり考えると、無駄なことは意外とたくさん見えてくる。

ミニマリストとまではいかないまでも、自分にとって本当の意味で本当に大事なことを知るこは、結果的にミニマルになっているだけで、その思考回路は生きやすさや幸福にも直結しているように思う。

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