悩ましい夫婦問題

結婚はだいたいの人が人生に一度あるかないか、しかも自分一人の意思ではできない運やタイミングがおおいに関わる難易度の高いイベントだ。

にもかかわらず、うまく遂行して継続しないといけないという社会的圧力に晒されながら仲睦まじくすることが正解のように語られているけれど、夫婦関係がうまくいってない人は多いと聞くようにやっぱり誰だって初めての体験なんだからそう簡単にはいかない。

初めての体験でも一人でするものではなく二人が改善しないといけないし、しかも異性という違う生きものを扱うし、さらには厄介なコントロールのむずかしい感情が入ってくる。

そんな難しくてめんどくさくて厄介な結婚が今でも幸せの象徴である一方で、単身の方がいろいろ“楽”で楽しめる社会背景も整っていて、幸せの概念自体も変化しつつあるような気もする。

たしかにいい夫婦関係を維持するのはむずかしい。

環境の影響もあるだろうし、この先に今よりもっと素敵な出会いがあるかもしれない。

でも往々にして燃えがった現在進行形の恋愛は、その延長上に結婚という約束を想定するものだ。

社会への体裁もあるし、親からの圧力もあるし、周りからの影響での焦りもあるし、出産タイムリミットもあるしで、結婚相手を、一生を共にする相手を見極めるのは、まるで金融投資をするかのようでもある。

きっと心からの好きよりも、ステータスで見たり、体裁で選んだりする人も多いように思う。

ある種、定められたミッションをクリアするゲームのように。

それでも一緒に生活をして家族が増えていく過程を踏むのには、ゲームみたいにロジカルではなくやっぱり人間と人間が不安定ながらも感情を携えてしっかりと向き合わないといけない。

誰にも見せたことのない自分を、親にも見せたことのない自分を、さらけ出し、お互いに同じベクトルと熱量で理解し合わないといけない。

譲歩し、寛容し、認め合い、高め合う。

本能に流されず理性で制御する。

どこかのキャッチコピーではないけれど、一人でも楽しく生きていける時代に、二人で生きていく意味は、むずかしくて、めんどくさくて、厄介を超えた先にしかない歓びを享受するために人は結婚を選ぶのではないだろうか。

それでもうまくいかないことがほとんどなんだけど。

だからこそうまくいかせることに高揚をおぼえる。

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