発信しなくてもやっていけるお店づくり

もはやお店にとって欠かせなくなっているSNSでの発信。

小さなお店から大きい企業まで、飲食店問わずあらゆるお店は何かしらのアカウントを持ち一生懸命に宣伝している。

新商品や新企画、営業や物語の案内に、中の事情やプライベートなことまで。

あきらかに情報が飽和している現代において、ちゃんと詳細まで見ている人は極端に少なくなった印象だ。

そして一回の投稿だけではなかなか隅々にまで声は届きづらくなった。

だからといってお店側として何回も同じ内容を発信するのは執拗に思われそうでどこか躊躇ってしまう。

でも執拗なくらいに発信しないとお客様が振り向いてくれないというジレンマを抱えている人はきっとたくさんいるように思う。

商売をする上で“集客”は、ときに美味しい料理よりも、気持ちのいいサービスよりも、心地のいい空間よりも、利便性の高い場所よりも、ある意味で重要になってくる。

いかにお客様に届けるか。

それは情報ではなく、その先に商品を実際に購入してもらわないといけない。

しかし溢れかえる情報だけでもう満足してしまっている。

現代はそんな状況ではないだろうか。

だとしたら情報発信の意味合いを根本的に見直さないといけない気がしてならない。

それに情報を発信するにしても、一般人にもセンスのいい綺麗な写真、読んでおもしろい文章、お店の世界観の統一など、高い技術力が求められている一方で、いかにお客様にささるかをハックするようなある種のブランディング的なマーケティング的な心理戦的なノウハウも定番化してきて、受信する方も発信する方もどこか嘘くさくて飽き飽きしているように思える。

注意を引くような内容、煽動するようなやり口が、相手を騙しているようでどうも気に食わない。

雑誌やWEBメディアへの掲載も、群がるお客様は一時的で一過性のもの。

そのようにきっかけを作るのはもちろん大事だけれど、長く続けていくためのお店づくりの本質は情報発信の巧みさではない。

結局のところ、商売の本質として通底しているのは至極当たり前のことで、お客様との信頼関係であり、自分の作品に対する本気の熱意だと思う。

そこに辿り着いてもらうための情報発信かもしれないけれど、アプローチの方法はひと昔に回帰するように紙媒体や口コミや地道な営業といった時間のかかる作業の方が、ある意味で近道な気がしてきている。

どうせ埋もれてしまう情報を発信するくらいなら、実際に足を運んでくれたお客様と真摯に向き合う方を選びたい。

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