人間には動物としての本能がありながらも他の動物と違って理性がある。
理性と本能。
このバランスをどう扱うかが人生の幸福にも関わると思っている。
ー
本能は三大欲求をはじめ、男性なら強くなりたい、女性ならコミュニケーションを大事にしたい、怠惰であること、楽をしたい、のように先天的に本来備わっているもの。
中でも一番厄介なのは欲望があることだと思う。
欲望は生理現象でもあり際限がなく、手に入れても満足せず、また次を欲しがり、もっともっと、と新しいものを欲しがる。
お金がほしい、成長したい、新商品に興味がそそる、といった欲は、よりよい人生にするために(それが絶対的な正解でもないけれど)欠かせない欲望だ。
それ自体は悪くないし、ここまで人類の文明が発展してきた原動力でもあるけれど、やはり度を過ぎると、法を犯したり、他者を傷つけたり、精神を病んでしまったりと、同時に危険も孕んでいる。
そのブレーキをかけるのが理性の役割になる。
ー
理性は社会性を大事にしたり、規律を守ったり、道徳心や親切心などと密接に関わっている。
感情に流されず、欲望を抑え、正しく判断し、行動すること。
常にそんな聖人君子みたいな人格者は滅多にいないけれど、理性があるからこそ社会は成り立っているし、これまた理性があるからこそ人類の文明は発展してきた。
そしてだれしも理性と本能を互いに葛藤させながら生きている。
ー
本来ならお金や成長、そんなに多くを欲しがらなくても最低限の生活で暮らしていけるはずなのに、どうしても刺激や楽しみを求めてしまう。
世間体を気にして、見栄や承認欲求を満たすためにもっとよくなりたいと願う。
とはいえ、欲を捨て、他者と関わらず、質素な生活を送っていたら、僧侶とほぼ変わらない。
ー
国や企業は経済を発展させるために人間の本能をうまくハックして人間の欲望を刺激する。
トレンドを作り、新しい商品を開発して、購買意欲を促す。
そういう意味で今のSNSは本当によくできている。
それが悪いことではないけれど、いかに自分にとって何が必要で大事かを理解して、ちゃんと見極めることの目利きを育てることが、特にこれからの時代に重要だと思うのだ。
知性、教養、好奇心、といったものが理性の豊かな土壌になるだろう。


