近頃は毎週末のようにイベント出店など、公表していないものも含めて、料理の仕事をしていた。
いい季節にはみんなが浮き足立つ。
お客さんを取り合うかのように野外イベントも各地で行われていたので、出店者側もきっと忙しかったに違いない。
例にもれず、自分も料理の仕事が重なりバタバタしてしまい、気づいたら年の瀬がすぐそこまできていた。
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単発のイベントに参加するとなると、まずはじめに準備が大変になってくる。
一度にそれなりに大量の調理をしないといけないので、扱う食材を揃えるのに時間がかかってしまう。
そこからメニュー構成を考え、手順や段取りを考えていく。
とはいえ、そんなにきっちりと作業が分類されているわけではなく、いろんなことが同時に進行していたりする。
直前までメニューが決まってないこともよくあり、動きながら考えながら組み立てていくのは、いつもヒヤヒヤする時間との戦い。
料理はお菓子や飲み物や物販と違って鮮度が大事なので前もって準備することができない。
イベント当日朝の搬入時間から逆算すると、仕上がりはできるだけ直前にした方が当然望ましい。
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というわけで、一日分の睡眠を犠牲にする、という選択をとる。
いや、取らざるを得ない、くらいに追い込むのが自分の性分かもしれない。
いい歳にもなって徹夜をしてまで励んでいるのは効率が悪いと思われて少し恥ずかしいけれど、静かな深夜の時間に一人黙々と作業が進んでいく様を実感できるのはなかなかの愉悦なのだ。
そして直前まで焦りながら慌てながらもギリギリ間に合わせる、というゲームをここ数年ずっとまるで趣味のように楽しんでいる自分がいる。
早朝が特に眠たく、そのゾーンを抜け出すと身体が慣れているからかあまり強い睡魔には襲われず、もう一日をまるで何もなかったかのように過ごせる。
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そんな裏舞台はどんな業界でもあるだろう。
がんばりや踏ん張りをしている時は辛く苦しく暗闇の中だけれど、それを乗り越えた先に見える景色はやっぱり格段に美しい世界が広がっている。
いつまでもそう思いたい。


