人間に欲はつきもの。
生きていく上で欠かせない三大欲求をはじめ、他にもいろんな種類の欲求がある。
その欲求を分類して優先順位をつければ、相手のアイデンティティもわかりそうなもの。
それは本棚を見たらどんな人で何を大事にしてるかがわかることと似ている。
欲求の優先とは、結局のところ自分の人生で何を好きと思っているかだ。
物欲なら買いもの、成長欲なら仕事におけるキャリア形成、安心欲ならあたたかい家庭作り、知識欲なら読書、今なら承認欲のためにSNSをがんばるといったところ。
それぞれ個人が自分の好きな欲望を満たせばいいと思う反面で、度が過ぎると人生がよくない方向に進んでいく。
借金をしてまで買いものをしたり、周りへの配慮なしに目上の人に媚びへつらったり、所有物のように子供の人権を扱ったり、怪しいセミナーに大金を払ったり、他者評価を優先するあまり自分軸を見失ってしまったりと、欲望はある程度自分でコントロールできることが望ましい。
そんな欲望をやっかいにさせるのが刺激だと思う。
刺激もまた人間にとって欠かせないもの。
平穏な暮らしに飽き足らず、大体の人が刺激や変化を欲しがる。
刺激は欲求にのっかる加速装置のようなニュアンスで捉えている。
自分も例に漏れず、名著を何度も読む方が血肉となりそうなのに新しくおもしろそうなテーマの本が見つかると欲しくなって買ってしまう。
そしてどんどん溜まっていく。
本をたくさん読むのまだかわいいものだけれど、恋愛に刺激を求めたり、高級品に刺激を求めたり、身体に悪い食べ物に刺激を求めるようになてしまうと、築いてきた社会的な信用も人生も健康も失いかねない。
日々平穏であることを維持するのは簡単なようで以外とむずかしい。
人間社会では周りの目が気になるし、プライドもあるし、社会圧もある。
それに欲望や刺激をコントロールするには知性や理性が必要だと思う。
だからといって完全にコントロールして悟りをひらくことを望んでるわけでもない。
だって欲望や刺激の先には、幸せや楽しみがあるから。
その塩梅はきっと「足るを知る」という言葉に落ち着くのだろう。