食の価値の可能性

どこに行っても外国人の観光客をよく見かけるようになった。

さらにはコンビニがいい例なように日本で仕事をしている外国人も多い。

物価は安くて、サービスもよくて、料理は美味しくて、街は安全で清潔で、公共交通機関は時間に正確で、文化も醸成されていて、歴史的建造物もたくさん残っていて、世界に誇る漫画もあってと、旅先としては申し分ないくらい素敵な国だと思う。

ただオーバーツーリズムという言葉があるように、人気の場所に人が集中するのは深刻な問題になっている。

人気の都市がより人気を誘い、地方との二極化が進むのは避けられないけれど、地方はインフラが整っていなかったり人手不足だったり財政難だったりと、せっかくいいものを持っていても悪循環になるばかり。

観光資源こそが唯一の日本の強みであることには同感で、その中でも最重要である「食」に関して、料理をしているものとして将来のことを考えると観光需要は簡単には見過ごせないトピックだ。

日本人相手だけで飲食はもうやっていけないのか。

観光地で外国人相手に勝負するのがいいのか。

正解はないし、自分がどうしたいかだけど、未来の市場や景気の動向を知っているにこしたことはない。

今後も海外旅行をする人が増えるのは明らかなように思う。

どの国も貧困は解消されつつあり、まだまだ経済発展の余地もあり、世界的に豊かになっている。

旅行は万人にとっても憧れで、かつ人間の本能的欲求をくすぐるレジャーのうちのひとつだろう。

お金と時間に余裕があるなら旅行に行きたくなる。

知らないことを知りたいと思う気持ち、非日常で違う価値観に触れる体験はモノの見方や考え方に奥行きももたらせてくれる。

ただ忙しい日本人は時間を取るのがむずかしいし、国内ならまだしも諸外国の物価は高く、なかなか旅行のハードルは高い。

でも当たり前になっている日本の快適さを知るためにも、一度海外に出ることが大事なのは身をもって実感している。

価値というのは、一見すると市場(需要と供給)で決まるものでもあるけれど、光の当て方次第では可能性を秘めている。

ブランディングという言葉を用いるならどこか作為的ではあるけれど、純粋に発信者がどの環境でどう解釈してどう意味づけするかで価値はいかようにも変化する。

世界に誇る日本の資源である食の価値を捉え直すのにいい機会になった。

そんな時代の潮流の中で、日本の食が世界から評価される背景には、味以上に丁寧な技術、美味しさへの探究心、素材の本質を見極める目利き力、おもてなしの心意気、配慮や心配り、などが複合的に絡まり合っている。

そんな文化を受け継いでいるにもかかわらず、正しく活かされていないのはやっぱりもったいない。

食の価値を考える余地はまだまだありそうだ。

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