なにも速ければいいってものではない

とにかく、いろんなことが速くなってきている。
インターネットに、コンピュータに、スクロールに。
楽を求め、待つ時間が短縮され、それに慣れていく。
レジ待ちの列も、並ばせないようにスタッフは必死で、
お客さんもそうすることが当たり前のようになり、
挙げ句の果てに、イライラしたりなんかして。
遊園地のアトラクションに並ぶのは、
論外に時間の無駄だけど、イライラしてる人はいない。
むしろ故意に並ばせる作戦でもあるけど。
慣れってこわい。
速くなることによって、生産性が上がり、
自由に使える時間が余るのはいいことだけど、
そんなに実感がないのは、
まだまだゆっくり慣れてるからかもしれない。
昔は移動するのにも、洗濯をするのにも、
今では考えられないくらいの時間を使っていた。
この先ぐんぐんスピードが上がっていくと同時に、
人の時間はどんどん余っていく。
機械やロボットが働いてくれるようになったら、
人はのほほんと優雅に生きているのだろうか。
いや、相も変わらずバタバタしてそうだ。
速さに慣れすぎるのもどうかと思う。
料理もレトルトや電子レンジや時短がすべてではないし、
じっくり煮込んだり、作ったりすることで
味にも気持ちにも深みが出る。
ネットやテレビのエンタメは、思考する時間を奪いがち。
本を読むように、ゆっくり時間をかけて考えて
吸収することを忘れてはいけないと思う。
悪い慣れには引っ張られないように、
待つことや時間をかけることのいいところを見つけ、
速さと遅さを使い分けて、有意義に過ごしていきたい。

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