人の記憶なんて儚いもの。
昨日食べたごはんですら、なかなか思い出せないし、
楽しかった出来事も、悲しい出来事も、
今まで読んだ本の内容も、凶悪な犯罪も、
時間が経てば次第に忘れていく。
仕事柄、すべてを網羅するのは不可能だけど、
お客様の顔や名前やその他の情報は、
意地でも覚えようと意識はしています。
忘れてしまうということは、
その出来事は覚えておく必要がないと
脳が判断したとも言える。
そのことについて覚えていようとしたわけじゃないのに、
何かの拍子に、ふと思い出すこともある。
夢や走馬灯のように、記憶を司る脳というものは、
コンピュータを遥かに凌ぐ、未知の世界。
記憶できる量に個体差は、ほとんどないと聞くので、
頭のいい人は、何を覚えておいた方がいいのかを、
選択する精度が、きっと高いんだと思う。
今は何かを必死に覚えておかなくても
インターネットで調べれば、情報はすぐ手に入るけど、
情報の鮮度は高くても、信頼性は高くないので、
自分にとって何が必要な情報かを見極めれないといけない。
何よりも語彙力がないと、検索すらできないから、
欲しい情報にたどり着くこともできない。
また忘れることもけっこう重要で、
脳に余白がないと、新しい情報の入るスペースがなくなる。
覚えておこうと紙に書いても、書いたことに安心して
忘れてしまうこともよくある。
けっきょく、脳をコントロールするのはむずかしいから
コンピュータをうまく頼りにしつつ、
無理に覚えようとせず、自然体でいいのだと思う。