味の記憶

刻一刻と閉店までの時間は短くなっていく。

クリスマスや御節の事を考えないといけないので、

正直まだまだ実感が湧かないけど、

時々いただくお客様からのありがたいお言葉で、

終わることへの反応を感じることができる。

もう二度と食べれないものがあるいうことは、

そんなに悲しいことなのか。。

料理の大切さに外側から気づかせてくれる。

確かに食の記憶というのはある。

おふくろの味、懐かしの味、思い出の味。

感受性の高い幼少期に頃に、繰り返し食べてたものは

きっと記憶に残りやすいかもしれない。

おばあちゃんが作ってくれた、ボウルの中で混ぜた

ビビンバをお皿に移さず、そのまま食べてたことが

一番美味しかったなあと覚えている。

料理を作ってる側が、気づかないところで、

相手の思い出の味になってることがあるということ。

心に響いた言葉や音楽も同じことが言えるけど、

料理は再現性のないところが尊い。

レシピだけでは語れない何かが存在する。

お客様の味の記憶をも左右するような、

そんな仕事ができてるなんて責任重大なことだと、

気の引き締まる思いになった。

関連記事

  1. 心と体と

  2. 世界を広くしたのは人のせい

  3. アイデアは星座のように

  4. 静かな夜

  5. ふたつの世界

  6. めんどくささについて

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x