物流業界に2024年問題というのがあって、ドライバーの労働時間を減らしましょうと国が動いている。
物流といっても様々だけど、いわゆるネットで買い物をして荷物を届けてもらうことはもう一般人に浸透しているわけで、今は気軽に手元で買い物ができる時代になっている。
個人的にはこんなにもモノがあまっているのに、それでも新しいものを買いたくなる人を不思議だなあと思って眺めている。
食材をたまにネットで買うくらいで、中古市場にも興味がない。
便利な世の中になっているけど、その裏側では必ず人が動いている。
データなどの処理はコンピュータがしてくれるけど、物理的なモノを運んでいるのは誰かの労働があるからこそ。
消費者が便利に買い物をすればするほど物流の仕事が増えていく。
どの業界も人手不足が叫ばれる中、その悲鳴を物流業界が先に手を挙げたにすぎないと思っている。
高齢化社会な上に若い人がしんどい仕事をやりたがらない。
飲食業界も介護業界もこれからどうなるんだろうと思う。
それら所与の根本的原因は人間が享受している便利さにあるような気がする。
便利さに慣れればまた次の便利が欲しくなる。
そこに技術力やサービス力の向上を求めるのもまた人間のサガなので、きっと今さら不便さには戻れないのだろう。
時代の大きな流れとはいえ、物流問題をはじめ考えるきっかけを与えてくれている。
本当に大切なものは何か。
便利の裏側で誰かが無理をしているなら、それはよくないよね、という動きは正論(資本主義社会に基づいたルール)や科学(数字で証明できるもの)を超えた人間らしさとは何かが中心にきている。
道徳、倫理、思いやり、配慮、敬意、そういった類いの極めて抽象的な概念が世界的にも基準となってきているのはとてもいいことだと思う。
ただ忙しさは考える力も時間も奪ってしまう。
忙しさで生まれるストレスを短絡的な欲で満たしてしまうから余計に便利さに流されてしまうという悪循環が生まれる。
だからといって個人でできることは限られているけど、身近な関わる人への想像力は心がけていきたいと思う。