センスとは自己理解

あらためて飲食店というのは、突き詰めれば「料理のおいしさ」と「ホスピタリティ」が大切なんだと思う。

料理のおいしさには技術が伴うし、ホスピタリティには心からの感謝がないといけない。

当たり前のことだけど、その源泉にはお店を作る人の真心や熱意みたいなものが存在している。

どれだけ外側の空間作りやデザインがよくできていても、やっぱりハリボテ感が透けて見えてしまう。

これは飲食店に限らずどんな事業にも当てはまること。

当たり前なことを当たり前にやる、がどうしてか意外にむずかしい。

飲食店で言えば、料理のおいしさとホスピタリティの他に今の時代だからこそ大切にしないといけないことがもうひとつあると思う。

それが「センス」だ。

センスとは、直訳すると感覚や判断力や感受性と出てくるし、センスがいい、センスがいい人、がなんとなくわかっているけど、説明しようと思うと曖昧なニュアンスなのでどこか捉えがたい言葉になっている。

センスをもう少し抽象化すると、「統一感」や「世界観」が個人的にはしっくりくる。

例えばいいお店のSNSの写真は統一感があるし、コンセプトがしっかりしていると、メニュー作り、来てほしいお客さん、あらゆる細部に至るまで全体の世界観として現れる。

そんなセンスを磨くためには何ができるのか。

もっと深掘りするならば、「統一感」や「世界観」は結局のところ「自己理解」に行き着くと思う。

周りや流行りに影響を受けて背伸びをせずに、自分に合ったスタイルで、自分が本当に表現したいことを突き詰め、自分がいいと思うものや好きなものをとことん追求して、自分を客観視して見れること、自分とはどんな人間なのか、性格、特徴、できないこと、したくないこと、何を理想とするのか、数え上げればキリがないけど、自己理解の度合いこそがセンスの良さに直結している。

そこから統一感や世界観が生まれ、その先に感覚や感性がついてくる。

スマホの写真や加工技術、テクノロジーの発展で一般の人も目が肥えてある程度センスの基準が上がったように思うからこそ、いいお店を作るには「料理のおいしさ」と「ホスピタリティ」以外にも「センス」のよさが欠かせないようになっている。

一方で、一般の人も目や口が肥えてきて、情報もすぐ手に入り賢くなっていることで、サービス提供者に求められてることが増えているとも感じる。

いずれにしても当たり前のことを真っ当にしないといけないし、センスも磨かなくてはいけないしで、何か自分のセンスを世に表現しようと思うならば、その難易度は確実に上がってきている。

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