消えてなくなる

料理という仕事ひとつとっても、色んな人がいて
工場やチェーン店で調理に従事してる人は、
どちらかというと作業をしてるといった感覚。
マクドナルドに料理人はいないような気がする。
小規模のお店や街の個人店で働いてる人の方が、
料理をちゃんと作ってるというイメージ。
やっぱり周りを見渡しても、
料理をしている人は、こだわりの強い人が多くて、
自分なんて足元にも及ばないほど、みんな職人気質だ。
出来立てを食べて欲しいと思ってるし、
温度管理にはすごく繊細だし、
しっかり準備をする時間を厭わないし、
もてなす段取りに余念がない。
美味しさなんて相対的なものなのに、
美味しさをとことん追求する。
食べものは食べてしまったら、消えてなくなる。
すごく時間をかけて作ったものでも、
口に入ってしまえば、一瞬でなくなる。
料理人が作る料理は芸術と言える。
絵画のように、ずっと眺めれるものでなく、
食器や壺や襖のように、ずっと使えるものでもなく
花火のそれと近い感覚だと思った。
制作に長い時間をかけ、夜空に解き放ったならば、
最高に美しい姿の到達点を境に、一瞬で消えてなくなる。
まさに料理も時間の芸術。
消えてしまうからこそいいのかもしれない。
そんな理解がもっと深まればいいな。
自分はその芸術と呼べる域には到底及ばないけど。


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