不確実であることが唯一確実な時代に突入している。
でも飲食店は水商売と言われてるくらい、
時代に関係なく、ずっと前から不確実な世界のまま。
大学を中退して、親の反対を振り切ってまで
進んだ料理という世界。
在学中に始めた喫茶店のアルバイトで、
飲食店で働く楽しみを覚えたのがきっかけ。
自分のがんばりが、お給料という形で評価され、
さらにはお客様にも、感謝の言葉で評価される喜び。
早く自立したかったから、楽しいことが見つかったから、
親に金銭面で迷惑をかけたくなかったから、
この世界でやっていこうと決めた。
今以上に、労働環境はブラックで長時間労働だったけど、
苦痛に感じたことはなかったし、夢中になれた。
漠然と自分のお店が持てたらいいなとは思ってたし、
そうすることが一般的にも業界のセオリーだった。
でも、具体的なビジョンはないまま、
若いうちは、色んな料理のジャンルを勉強しようと、
転職を繰り返して、それなりに技術を吸収したつもり。
次第に、お店というのは料理が美味しいだけでは駄目で、
接客やサービス、空間の作り方や宣伝の仕方も
同じく大事なんだと気付き、料理そっちのけで
勉強するようになったのは、自分でお店をしたいという
目的があったから。
どうしたらお客様に来てもらえるのか。
どうしたらお客様に喜んでもらえるのか。
お客様は何を求めているのか。
むしろ飲食店とはいえ料理の美味しさよりも大切な要素。
味覚にも正解はないし、接客やサービスにも正解はない。
もちろん繁盛する成功法則もない。
何を自分の中で満足とするのか。
さらに不確実な道を歩んでいくことになる。
(つづく)