片隅にある記憶

最近、数年前に来られていたお客様と再会することが多い。
そんな時、意外とお客様の顔を覚えている自分にびっくりする。
あれはどういう脳内のメカニズムなんだろう。
明確に覚えているわけではなくて、普段思い出すわけでもなくて、ほぼほぼ記憶から消えかかっている情報なのに。
昔はテイクアウト専門だったので、お客様と関わる時間も短く、たくさん注文があったとしても接点は取りにくる人だけ。
小さなお店とはいえ数年もやってきて、曲がりなりにも多くのお客様の対応はしてきたつもり。
その中でも覚えてるお客様と、覚えていないお客様がいるのは不思議な現象。
一年に一回のご利用でも覚えている時があるし、反対に何回も利用してもらっているのに覚えれないことも多々あったりする。
顔や名前の特徴、交わした会話の内容、注文内容、様々な因子が複雑に絡み合って記憶に定着するんだろう。

サービス業は本質的にお客様によろこんでもらう仕事。
お客様のことを覚えて当たり前、よく観察して望むべき行動に対して先回りして準備をしておく。
そんな意識は人一倍もっているので、ことお客様を覚えることは得意な方だ。
そこにリソースをさいているので、仕事以外ではもっぱら記憶力が悪い。
小さなお店のメリットはお客様との距離が近いところ。
可能な限り名前や顔を覚え、話の続きができるように心がけ、自分にしかできない付加価値を足していく。
そうした覚えてもらう努力が記憶の片隅に集積して、逆に覚えていることにつながっているのかもしれない。

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