しばしば二項対立で語られる、
不安定だけど好きなことをして生きていくか、
安定だけど好きでもないことで仕事を卒なくこなすか。
例えば、吉本芸人か公務員かの違い。
道として家族や子供、守るものが多くあるならば、
安定を選ばざるを得ない人がほとんどだと思う。
好きなことが何か見つかってなくて、
食べるために働いてる人も多いと思う。
どちらが正解とかではないけど、
好きなことをして、安定できてるという状態、
どっちも、という選択肢がなぜむずかしいのだろう。
芸術の分野でも当てはまる。
アートや音楽で食べていくのはむずかしい。
自分が作りたい作品ばかり作っていても、
届くのはごくわずかな人たちだけ。
食べていくことや守ることを優先するならば、
クライアントの要望に沿った商品を作らないといけない。
商品はたくさんの人に届きやすいけど、
心に深く刺さることは、あんまりないと思う。
中世の芸術が今でも人の心を動かすのは、
大富豪やパトロンが生活を支え、
芸術家は自由に作品を創作できたから。
尖ってるものは深く刺さるけど、遠くに転がっていかない。
丸いものは軽く触れるだけだけど、遠くまで転がる。
このように世の中に相反するような事柄はたくさんある。
社会性とビジネス、個人と組織、大量生産と手仕事、
グローバルとローカル、理想と現実。
この対立の解決に、多くの人が悩むそのうちの一人。
中間をとった妥協点に落ち着いたり、
どちらかを諦めてしまったり。
両立ができてる事例は少ないけど、可能性はゼロではない。
掛け合わせれば新しいものが生まれるかもしれない。
険しい道のりでしかないけど、探し続けたいと思う。