応えるのか信じるのか

今までの主な客層は小さい子供を連れた家族が多かった。

子供がMEEKのごはんを食べてよろこんでくれる顔を

何度も目にした。子供の声ほど純粋で正直なことはない。

味覚もそれほど発達してるわけではないのに、

美味しいと言ってくれるのは、心が動かされる。

五年弱、同じ場所に立っていて、小さい子が

どんどん大きくなっていく過程を間近で見ていた。

子供に食べさせる食事が安全であるにこしたことはない。

そんなニーズも重なって、お子様のご利用が多かった。

子供という観点だけで見ると、イートインにしたことに

よって来づらくなってしまったお客様がいることは

間違いなくて、やっぱり心残りで心苦しい。

視野や焦点が狭くなってくると、

期待を裏切ってしまってないだろうか、

もう二度と来てくれないのだろうか、と

どうしても不安に駆られる時が不意に訪れる。

お客様の期待に応えることが正解とは限らないし、

自分のやりたいことだけやるのも正解だとは思えない。

終わることは始まることと同義だし、何かを得るには

何かを犠牲にしないといけないなんて言うけど、

喪失の瞬間や、適応するまでの移行期間は

戸惑いと少しの後悔と、ポジティブな気持ちとが

行き来をし葛藤が止まらない。

変わるにはエネルギーや勇気がいる。

人間はそもそも変わりたくない生きもの、

環境にも大きく依存している。

卒業などの行事のように、半ば強制的な力が働く場合は

動きやすいけど、自らの意思で環境を作っていくには、

葛藤とうまく付き合っていくしかない。

それに春という季節が少しだけ背中を押してくれる。

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