富士山の頂上までエレベーターで行けたら
きっとおもしろくない。
行くまでに予定を立てて、準備をして、楽しみにして、
長い道のりを登って、頂上にたどり着くからこそ、
気持ちがいいものだし、達成感を得られる。
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今の世の中は、科学やテクノロジーの発達で、
どんどん便利になって、時短になっているのを実感する。
富士山の例のように、なんでもかんでも便利や時短に
なってしまったら、本当に大切なことを見失ってしまう
危険性があると感じずにはいられない。
本が好きでよく読むのですが、
今は動画やアプリなどで、要約してくれるサービスが
増えていて、便利で時短かと思いきや、使い方次第では、
逆に何も残らないということがあるような気がする。
もちろん本質を知ることが最大の価値だけど、
前後の文脈があるからこそ、その本質が記憶に
定着するものではないでしょうか。
事実、記憶というのは二つ以上の物事が、
つながってはじめて定着すると証明されている。
歴史の年号の語呂合わせや、たとえ話とかがそう。
要約されたものを見て聞いて、わかった気にならず、
興味が持てたものを、実際に読めば、
効果を最大限に発揮できそうだ。
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本だけではなく、今は様々なサービスが
便利や時短に向かっているので、
決して行き過ぎるのではなく加減を知り、
見極めることは大切だと思う。
洗濯物を手で洗う、ということではなく、
辞書をひいて調べる、ということではなく、
機械に任せれるものは任せて、限られた時間を
どこにどう使えば、人生が豊かになるかは知っておきたい。
そこにあるのは体験価値で、時間をかけてこそしか
得られない大切なことは必ずある。
旅行や、不便な場所にあるお店などは、
わざわざその場所に行くということに体験価値があるし、
飛行機ではなく、電車や車で行くのもまたおもしろい。
世界が効率化や合理性に向かっているからこそ、
体験価値は人の心に豊かさを与えてくれるはず。
どうせなら美しい記憶を、いい思い出を残したい。