ひとつの同じ世界で過ごしていると、
どうしても考え方や慣習が凝り固まってしまうし、
プライドばかりが高くなり、偏りも生まれてしまう。
その分、時間をかけて習得した技術や知見は、
アイデンティティを形成するし、誰にも真似できない
プロフェッショナルの領域で尊いこと。
飲食業界に20年以上も一生懸命携わっていて、
それなりに技術は肌感覚で身についたと思うけど、
お客様に作りたてを食べて欲しいとか、
丁寧にしか作れないとか、ある意味頑固になっていて、
他の人の意見を聞きづらい状況になっていた。
いいとか悪いとかではなく事実として。
今、少し料理の世界とは距離を置いていて、
(サボってるわけではありません)
俯瞰して見ることで、よくも悪くも今までは狭い
世界にいたのだと気づくことができた。
新しい分野の活動を挑戦するにあたって、
右も左もわからない初心者で、自分の無知さに
まだまだ未熟者だと感じずにはいられない。
わりと感性だけで生きてきたので、論理的に
考えると脳みそが悲鳴を上げているような気がする。
でも、わからないことをわからないと素直に言える。
素直に人の話も聞ける。素直に相手を尊敬できる。
今までならありえなかったことが起こっていて、
素直におもしろいと思えるようになった。
餅は餅屋、プロフェッショナルも尊いけど、
何も知らないからこそ生まれるアイデアもまた尊いし、
世界を変える可能性をじゅうぶんに秘めているから、
何事においても一概にこれが正解だとは言い切れない。
反省。