言葉を鮮明に

人が抱える不安や怒りなどの負の感情は、生物的な生存本能に起因している。
だからみんなそうであって何の不思議もない。
誰だって局所的に見れば感情に振り回されて周りが見えなくなるもの。
でも、人間も生きものだからそういうところもあるよね、と知っていることが重要であると思う。
こういうことが起きてるから、こういう感情になるのは仕方ないと冷静に判断できる視点。
自分をいかに俯瞰して見れるかどうか。
人は目先の快楽にめっぽう弱い。
甘いものはやめられないし、お酒はやめられないし、性的な事件は後を絶たない。
だめだと頭ではわかっていてもやめられない。
そんなだめな部分を受け入れた上で、節度を保てるのもまた人間のいいところ。
よく知り視野を広くすることが、よりよく生きることにつながっていくと思う。

ネット社会に思うのは、多くの人の世界の切り取り方がすごく粗くなったこと。
毎日毎日、相容れない議論が行われている。
メディアの発信も良し悪しだし、個人の発信も良し悪し。
例えば、写真の画質が悪いと何を見ているのかわからない。
例えば、「すごい」という表現は何がどうすごいのかいまいちわからない。
簡単で便利で楽なことは、どうしても粗くなってしまうのではないか。
だから余計に双方の意思の疎通ができなくて争いが生まれる。
写真も言葉も、解像度の高い方が相手に伝わりやすい。
言葉を鮮明に。
どうせなら建設的な話がしたい。
視野を広くすることと解像度を上げることの意味合いはとても近い。
そのための大前提として、まずは知らないことを知ることから始まると思う。

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