料理の値段の高いお店は本当に果てしなく高い。
星で格付けがされていたり、メディアで騒がれたり、
食材の値段だけではない付加価値が足されていて、
空間やサービスや希少性も含めて、
一流のブランドになってしまえば、
社会的地位の低い料理業界にも希望が見えてくる。
でも当然そこに行けるのは一握りの猛者たちだけ。
シェフのビジュアルやカリスマ性も必要だろう。
でも思うのは、どの業界も同じかもしれないけど、
決してその道が正解とは限らない。
ひとえに高ければいいってものじゃない。
3倍の値段が3倍の美味しいとは言い切れない。
感動や満足にその価値があるかどうか。
必ずしもお金という尺度だけでは計れないものがある。
ラグジュアリー感はいくらでもお金で買えるけど、
信頼や関係性はいくらお金があっても買えないはず。
煌びやかにもてはやされる情報は、
ごく一部に人しか利用できなかったりする。
高級料理店で食事ができるなんて、
きっと世の中の多くの人は手が届かない。
個人的にもそのような体験をしたことがないし、
勉強のために一度くらいは味わいたいと思うけど、
特にそこを目指したいとも思えない。
今、個人店を中心に単価が上がりつつある気がするのは、
コロナ禍でやっていくための必然の方法とも言えるけど、
敷居が高くなり、普段使いにできなくなるのは、
少し寂しいような気がする。
経済的な不安は高まる一方だし、
給料が上がっていくわけではないし、
消費に使えるお金も限られてくる。
予約が取りづらい高級なお店もいいけど、
お金以上の食体験を得られるお店は、
目を凝らしてみれば、自分の街のすぐ側にあるもの。
それらをもっと見えるようにしていきたい。
